たねとり 採種 F1

「今こそ種を育てる時代」

 NOF TOMONARIでは可能な限り、「たねとり」を行っています。

販売する野菜の全てが実現できていませんが、毎年できる範囲で品目を増やしていく予定です。一見、効率は悪く思えますが、効果は目に見えて現れます。そして、良い種が取れたら、それを代々受け継ぐことで持続可能な生産に近づけたいです。


 また、近年環境の急激な変化が著しくあります。突然ゲリラ豪雨が降ったり、それとは反対に雨がぜんぜん降らなかったり。こういった環境の変化に対応し適応させるためには、最低3年間の自家採種が必要となります。農業を営む時間は限りがあります。種を採るなら今始めましょう!

 

「たねとり方針(育種方針)」

 難しいことはできませんが、NOF TOMONARIのたねとり方針がちょこっとだけあります。

 

 一つは、無施肥で育て、少肥で育つ吸肥力のある力をつけさせることです。

初期の生育が鈍くなり心配になりますが、結果として根が強くなり吸肥力が伸びます。これを継続してたねとりをしてると、販売用に肥料を投入し生産した時、いつもより少肥料で収穫まで達することが可能です。ただ、無施肥の代わりに刈った草は株元に敷きます。この敷き草により、土壌動物が集まり微生物も活動します。それによって微量ではありますが栄養が供給される仕組みで採種果を育てます。

 二つ目は、無農薬で育て耐病性を持たせることです。これは理解がしやすいと思います。なるたけ虫や菌、ウイルスに負けない強さを身につけさせたいからです。農薬でそのリスクを消してしまうと強い株が分からなくなります。

 三つ目は、品目にもよりますが、新たに開始する時はF1品種から選抜を開始することです。

現在では、固定した種も販売されていますが、F1から自分の圃場に合う品種を探すことが良い結果を生むことがあります。

 

 補足ですが、F1というのは英語でfirst filialと書くそうです。意味は雑種第一世代となります。F1から種を採種すればF2となります。時々なぜか?F1すなわち種が採れないという説明する方がいますが、決してそうではありません。むしろアブラナ科を強選抜しすぎたほうが、固定化しすぎて種がとれなくなる傾向にあります。おそらく、自家不和合性技術をりようした雄性不稔技術だけを聞いてF1すべてが種採れないとなったのではないでしょうか?F1でも種は採れます。

神主谷冬菜 たねとり