ここでは、畑にいる虫を観察し、理解し、農業生産に利用できればと思いまとめております。
ブロッコリ畑にて。
本梅小学校の3年生たちが、青虫の生育観察のため青虫が欲しいとのことで。
一部、農薬を散布せず青虫たちを育成。
するとやっぱり出ました!マユコバチ!
今まで繭になった状態しか観たことなかったので、ようやく観れました!
マユコバチの幼虫が青虫から出てきて繭を作る所です。
ほんと、見た目エグイですし、グロテスクです。
噂では、この時青虫はまだ生きてるらしく、繭を作るのを手伝うそうです。
もう、どんだけ!なんでしょうか。
ちなみに、3年生たちは「モンシロチョウになったら畑に戻しにきます!」と発言。
恐ろしいです。
能勢のハウス内のことですが、この10年で虫も変わってきました。
当初は、根切り虫が必ずいて、定植直後に苗が切られ腹を立てていました。
それが、最近はいるようですが、あまり苗が切られなくなりました。(気にならないレベル)
その後、ネギを作るようになって、アザミウマに腹を立てるようになりました。
これは現在も進行中で格闘中であります。
そして、近年は野菜ゾウムシに腹を立てています。
太陽熱して多少減ったように感じますが、撲滅はできません。
カエルや蜘蛛はいっぱいいるんですがね。
アブラムシは施肥や潅水でかなり制御できるようになりましたが、完全にださない技術は未だ道半ばです。
それと、多くはありませんが、丸トビムシが時々、食害するようになりました。
以前は食害することなくいましたが、なぜでしょうか?
まだまだわからないことだらけです。
アブラムシには、寄生蜂がいるのでネギにつくアザミウマにも寄生する蜂がいないのか調べていたら
いました!
アザミウマタマゴバチ!
その名の通り、卵に寄生する蜂です。
ただ、畑に行ってずーと観察していても小さすぎて私の目に映りません。(悲しい)
今回も写真が撮れないので、BABAさんのサイトを紹介しておきます。
https://baba-insects.blogspot.jp/2012/10/016mm.html
課題としては、この蜂がネギ圃場にやってきてくれること。
そのための、しかけなど考えないといけません。
ネギにつく虫「アザミウマ(スリップス)」に対する抵抗策。
自分のためにまとめていきたいと思います。
1)硝酸態窒素は虫の好むアミノ酸を作るらしいので、畑を乾かさないこと。5-6月期収穫(特にハウス栽培)では、畝間湛水する。灌水の場合は一日3回。
2)花を近くで咲かすこと。現代農業に載っていたのはフレンチ系のマリーゴールドの「ボナンザイエロー」が効果的。緑肥のハゼリソウ。
3)草の管理+天敵誘致(ヒメハナカメムシ)
「むしコラ」さんのHP参照。
http://column.odokon.org/2007/0327_180500.php
草をこまめに刈るというアドバイスも多々ありますが、天敵誘致策のほうが総合的に効果があると感じています。特にシロツメ草など。緑肥利用で麦間作も効果あり。
畔の草刈も、接地面で刈るより10-15㎝の高刈りにより、花が咲いて天敵誘致に効果ありそうです。
4)殺虫剤
有機JASで使用できる殺虫剤は、スピノエース顆粒水和剤など。
粘着くん水和剤は使用確認中。天敵農薬としてアリガタシマアザミウマ使用確認中)
慣行レベルでは殺虫剤の利用も初期には効果がありましたが、連作や大量生産になると効果が年々減少するように見えます。京都は九条ネギの生産地なのでネギの生産が盛んですが、見てると年々、殺虫材の効果が弱まっているように見えます。定期的に防除されていますが、2014年5月作はスリップスによるウイルス感染が拡大しほぼ全滅していました。慣行レベルの農薬は薬剤抵抗性を持つ可能性があるとともに、天敵まで減らしてしまうため被害が拡大傾向にあります。やはり総合的な防除+管理が必要だなと思います。
千葉県農林総合研究センター 生産環境部 病理昆虫研究室のHP参照
http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/pdf/ooida_slide.pdf
2月下旬になってから、温度が暖かい日が多くなってきた。
その影響なのか、うちの本梅ほうれん草に、被害が広がっている。(-_-)
おそらく、全国的に有名なケナガコナダニの仕業かと思う。
本来は、土壌の糸状菌などを食べているらしい。
それが、どうしたのかほうれん草を食べてしまってる。
ちっこくて目に見えんので、捕殺もできん。
何か管理法を変えるだけで、捕食者が増えて被害が目立たん程度までに治まって欲しい。
ちなみに、うちの圃場で2月中旬頃からの収穫に目立つようになった。
それまで11月から2月中旬では、さほど目立たないほど。
温度と影響があるのかもしれん。(-_-)
今回、記録しておきたいのは、畑の生態系に大きく関わるトビムシについて。
トビムシは、地表から数cmぐらいまで住み分けており、種も分化しています。
地面にもぐればもぐるほど、トビムシは小さくなり、地表近くでは大型でよく飛び跳ねます。
目にするのは、たいてい地表付近のトビムシで黒っぽいものが多く見かけられます。
このトビムシが有機農業では重要な役目を担っています。
その1が、菌が分解した腐食を食べフンをすることです。
これがまた違う菌や細菌のエサとなり土が団粒化します。これが地力となり肥料を入れた場合効きが良くなります。
ちなみに、菌の胞子や、菌糸も食べることが分かっています。
よく稲わらや草などの残渣や堆肥などを積んでいたらそこがフワフワになってとても良い感じになっているのを見かけたことがあるかと思います。
目には見えづらいですが、そこには小さなトビムシが頑張っているのです。
そして、トビムシの役割その2は、トビムシ自身が多くの土壌動物のエサになっているということです。
そのため、トビムシは畑のプランクトンと呼ばれています。
トビムシが捕食性土壌動物を増やし、食う食われるの関係が複雑になり生態系が安定化します。
すると、不思議なことに虫はいるのに、野菜が綺麗にできる確立が上がるのです。
不思議です。
簡単にまとめると、
トビムシを畑に誘導するには、まず畑に有機物が必要です。土壌にすきこんでもかまいませんが、地表付近のトビムシを誘導することが野菜の地表部分を守ることにつながるので、
地表部にも有機物を敷いていきます。
すると、その有機物を分解者たちが分解し、菌が増えトビムシが増え、生態系が複雑化し、施肥量が減らせたり、虫害が減ったりしてきます。
インゲンや、小豆、大豆枝豆、お米などカメムシによるリスクは高いです。
農夫としてはカメムシについて知る必要があります。
年々、薬剤による効果が落ち込んできているらしく、カメムシ対策は
土着の天敵利用が考え始められています。
まず、このカメムシ。名前はホソヘリカメムシと呼ばれていて、
大豆、インゲン、エンドウなど吸います。吸い痕が残り困ります。
こいつに似たやつでサシガメがいます。
このサシガメというカメムシは、凶暴なやつで、人も襲う場合があるので注意なのですが、
野菜を吸ったりしません。
同じカメムシを体外で溶かし肉を吸う肉食性(捕食性カメムシ)カメムシなんです。
なんで、殺さずにほっておくといいかと思います。
この2つはなんかパッと見にとるんですよね。
こいつと同じように捕食性カメムシは他にクチブトカメムシがいます。
主に、青虫や蛾の幼虫を捕食しているようです。
そして、そして、やはり天敵といえば寄生蜂が多いですが、
カメムシにもやはり寄生するやつがいます。
それがカメムシタマゴトビコバチ。
名前のごとく、カメムシの卵に寄生する模様です。
以前、カメムシの卵を観察していた時、その卵が日に日に減っていくのを見かけました。
寄生蜂以外にも何者かが捕食しているのかもしれません。
虫の世界は、まだまだ分からないことがたくさんです。
京都は九条ネギで有名ですが、
ネギは虫被害やら病原菌被害など色々リスクが高い野菜です。
そのネギを、土着の天敵や肥培管理など農夫ができることを考えると、
まずは、相手を知ることから始めようと思います。
そこで今回記録しておきたいのは、NOFの施設畑でも、ちょっかいを出すネギアザミウマです。
実は最近、収穫を手伝ってくれている嫁さんから「アザミウマってどんな虫?」と聞かれました。
トマトやナスビなどの収穫物被害にも出てくるもので、気になったのでしょう。
実は、私もハッキリ見たことがありません。
というよりは、ちっこすぎてよく分からんのです。
マクロレンズもない私のカメラには限界があり、小さい虫には手を焼きます。
アザミウマは、別名スリップスとも呼ばれていて、ネギだけでなくナスビやトマト、メロン、キュウリなどあらゆる植物の花に生息し傷をつけます。
ネギの場合は、↑写真のように白く傷がつき目立つんです。(涙)
この小さなアザミウマを食べてくれる農夫の心強い味方!いました!
こちら!↓↓↓
写真引用元:
http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/pdf/ooida_slide.pdf
ネギの土着天敵利用について書かれています。参考にさせてもらいました。
名前はキイカブリダニと呼ぶみたいです。
アザミウマも小さいですが、このダニも小さい。
小さな世界で小さな闘いがあるんですね。
その他にも、ヒメオオメカメムシがアザミウマを捕食している模様です。
周りが田んぼなので、お米農家さんはカメムシを嫌っていますが、
いいやつもいるんですよとお伝えしたい。
結論:
普段、アザミウマなどはシロツメクサとか花があるところに住んでいるようです。
ある一定の密度になると天敵も増え捕食します。
なので、施設内においてもネギのリビングマルチとして麦をまいたり、花の咲くハゼリソウなどをわざと植え、
天敵の住みかを作っておく必要性がある。
また、徘徊性のクモやオサムシなども何らか密度抑制につながる。
この幼虫、中が透けて見えるので気持ち悪いと決め付けられ、捕殺されてしまいがちなヤツ。
実は、アブラムシを食べます。モグモグ食べます。
NOFの畑でもレタス畑でよく見かけます。
殺さないでやって下さい。
アブラムシの天敵御三家:ヒラタアブ、アブラバチ、テントウムシ
ちなみに、ヒラタアブに寄生するコバチがいます。せっかくの農夫のみかたなのに、
それに寄生せんといて欲しいもんです。
オサムシを見ると、研修していた頃に土壌動物と畑の関係について興味を持ち、
いい役目をしてくれる虫を探していたのを思い出します。
捕まえるには引用させていただいた写真のように、畑に穴を掘って、コップを埋めておきます。
オサムシは基本、夜行性なので、次の日の朝に回収に行けば落ちてます。
(ピンホール・トラップと呼びます。)
さて、このオサムシ類ですが、どんな役目をしているのかということですが、
有名なところで、マイマイカブリ。カタツムリを中に入って食べます。
畑では、カタツムリやナメクジがいるので、出会うと捕食するようです。
他には、ミミズ、ムカデ、イモムシ類なども捕食します。
ミミズを食ってるところを見かけることが多いので、ちょっと困りますが、
オサムシ類たちは、夜に徘徊する警備員といったところです。
怪しいやつも良いヤツも、夜に出回るやつは容赦せず警備します。
ごくろうさまです。
ちなみに、オサムシを食べるやつは、鳥です。そして寄生するカビや線虫がいるようです。
死んだ死骸を食べるのは、オサムシ類のシデムシもいます。
地球上が綺麗でいれるのは、こいつらのおかげかもしれません。
写真引用元
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=70961852
今回は、肥料の入れすぎ。特に窒素成分が過剰なとき、または土が乾燥し硝酸態窒素を良く吸った場合などに発生しやすいアブラムシについておもしろい動画、写真があったので記録しておきたいと思う。
↑まずは、アブラムシの天敵であるアブラバチに寄生しマミーになる動画。
なかなか自分でマミーになった写真を綺麗に撮ることや、孵化する場面を見ることは難しい。
さすがはプロですね。
この動画でへぇ~って思ったのは、アブラバチ1匹で200個も卵を寄生させること。
アブラバチ10匹もいれば2000匹のアブラムシを抑制できるんですね。
ありがたいっす。
ただ、軟弱野菜でアブラムシがマミーになると、振っても取れません。(涙)
アブラバチが抜け出した後も、セミの殻のようにしっかり野菜にくっついてしまう点が頭を悩ませます。
アブラムシを捕食するものは、他にもテントウムシの幼虫とヒラタアブの幼虫がいます。
他にもダニがアブラムシと影響しあうという話を聞いたことがあります。
ご存知の方ご一報を。
このアブラバチのように、農夫のチカラになってくれる天敵生物などが、どのような食事をし、どこに普段は住んでいているのか?農業に関わる生き物について今後も追って行きたい思います。